「まとめサイト」で差別的な投稿…2審も運営者に賠償命令「引用元とは独立した表現行為」

2018年6月28日 17時38分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180628/k10011499071000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001
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在日朝鮮人フリーライターが、インターネット上の情報をテーマごとに集めて紹介する「まとめサイト」に差別的な投稿を載せられたと訴えた裁判で、2審の大阪高等裁判所は「引用元とは独立した表現行為で、内容も悪質だ」として、1審に続いてサイトの運営者に200万円の支払いを命じました。

在日朝鮮人フリーライター李信恵さんは、平成25年から26年にかけて「まとめサイト」の「保守速報」に差別的な投稿を載せられ精神的苦痛を受けたとして、サイトの運営者に賠償を求める訴えを起こし、1審は去年、運営者に200万円の支払いを命じました。

これに対して運営者側は2審で「別の掲示板サイトの投稿を集めただけで、名誉毀損や侮辱などの新たな意味合いは生じさせていない」と主張していました。

28日の2審の判決で、大阪高等裁判所の江口とし子裁判長は「このまとめサイトは運営者が一定の意図に基づいて新たに作成したもので、引用元の投稿サイトからは独立した表現行為だ。読者に与える印象も、より強烈で感情をあおるものになっている。人種差別や女性差別の内容が多数含まれていて非常に悪質だ」として、1審に続いて運営者に200万円の支払いを命じました。

■ 原告側「日本に生まれ育ってよかった

判決のあと、会見した李信恵さんは「判決の内容を聞き、朝鮮人としても女性としても日本に生まれ育ってよかったと初めて思いました。インターネット上でも差別を許してはいけない、在日朝鮮人が声を上げてもいいんだということを伝えたい」と話していました。

また、代理人の上瀧浩子弁護士は「1審判決よりも理論的に明確になり、人種差別や女性差別などに対し厳しい内容になった」と評価していました。